監督が主人公の漫画がアツい!

スポーツを題材にした漫画は沢山ありますが、それにおける主人公は常に「選手」です。
選手が成長していく姿や仲間との確執、自分との葛藤、そして待ち受けるライバルとの宿命の対決・・・
漫画に描いたら面白そうな要素は充分挙げられます。
漫画が描かれ始めて数十年、選手を主人公にしたスポーツ漫画は何作も描かれました。
ですが、最近「監督」を主人公にした漫画が脚光を浴び始めました。
選手が主人公の漫画における監督は、主人公達をしごきながら勝ち続ける道を模索し続けたり、何もしてないとみせかけて主人公達を陰ながら支えたりする名脇役の場合もありますが、
前進する主人公達の足を引っ張り続ける悪役だったり、最初から監督が存在しなかったりして
作者の描き方によって日が当たったり当たらなかったりする微妙な存在です。


しかし監督と言う立ち位置は、選手の一人ひとりの性格や適正を見据え、自分の持論や経験に基づいて選手を動かし、
勝つために常に頭を働かせ続けている面白いポジションなのです。
そして監督は各々個性が強い。
「こいつ、ちゃんとできんのか?」と不安になる人間が、人を面白いくらいに惹きつけて、時には人を変えていく。
そして気がつくと「勝てるチーム」が出来上がっているんです。
選手の動かし方や扱い方が、実際の人間関係でも役に立っちゃったりなんかして
色々と勉強になる部分もあったりします。
試合は選手の晴れ舞台であると同時に監督の腕の見せ所でもあります。
監督の目論見が選手の頑張りと共に昇華した瞬間はもう快感!の一言。
後になってこういう意味だったのかとわかる場合もあるんですが(笑)
「友情・努力・勝利」の裏にある魔法の種明かしを見たような気になります。


選手視点がおなかいっぱい状態なこの頃、たまには違う視点でスポーツ漫画を楽しんでみてはいかがでしょう?
監督が主人公の漫画は次の3冊。

GIANT KILLING(1) (モーニング KC)

GIANT KILLING(1) (モーニング KC)

現役時代に所属していた弱小サッカーチームを天皇杯準決勝まで持っていき、ある時突然海外に移籍した男・達海猛が
監督として古巣に戻ってくる話です。
何故達海に新監督の白羽の矢が立ったのかと言うと、達海は引退後にイングランドのアマチュアクラブの監督をやっていて、
プレミアリーグのプロチームをきりきり舞いさせるまでにのし上がらせた手腕の持ち主だったのです。
そんな達海の信条はGIANT KILLING(大物喰いの大番狂わせ)。弱いチームが強いチームをやっつけるのはカッコイイだろ?ってやつです。
しかしチーム内には「チームを捨てて海外に行った男が何じゃい」って不穏な空気。
達海は低迷続きのETUをてっぺんまで持っていけるのか?大番狂わせは見れるのか?
最近そこかしこでプッシュされていて気になっていたのですが、いやほんとに面白い。
選手もキャラが立った人ばかりで、試合の見せ方は圧巻の一言。
5巻では鳥肌立ちました。
そして達海もいいこと言うんですよね。台詞にも注目してみて下さい。
是非とも読んで欲しい作品です。これからの展開も楽しみ。


ラストイニング 1 (ビッグコミックス)

ラストイニング 1 (ビッグコミックス)

甲子園にも出場したことのある名門校・彩珠学院高校の野球部は、かつての栄光も見る影もなく弱くなってしまったので
「来年の夏甲子園で優勝しなければ廃部」と言われてしまった。
そこに、今はインチキセールスマンをしているが、以前彩学でキャプテンだった「ポッポ」こと鳩ヶ谷に新監督の白羽の矢が立った。
野球ものの王道、高校野球部の監督を描いた作品です。
「正々堂々・ひたむきに・さわやかな」高校野球漫画をお探しなら、他を当たって下さい★ってこれのPOPに書いたことがあるんですが
ポッポはこれらの「必須要素」をキレイに切り捨てた野球観の持ち主です。
綺麗事だらけの野球ではなく、勝つための野球を部員達にあの手この手で叩き込んでいきます。
そして野球部の監督には、部員以外にも見えてしまうものがあります。
部活は選手と監督とかわいいマネージャーだけの世界じゃないんです。
選手の保護者やOB会なんてのが選手を裏でサポートしてるんですね。
そこら辺の人間がまた負けたのかウチの子をもっと出せだ何やかやとイチャモンつけてくるんですよ。
さわやか系の野球漫画には見えない高校野球の現状にもスポットを当ててるのがこの作品。


ROOKIES (1) (ジャンプ・コミックス)

ROOKIES (1) (ジャンプ・コミックス)

ニコガクこと二子玉川学園高校に赴任してきた新米教師・川藤幸一が、以前は甲子園まで行ったこともあるのに現在は不良の巣窟になっている
野球部の顧問となって野球部を再建させ、甲子園を目指そうと奮闘する話。
ちなみにこの作品の監督は、先に紹介した2作品と違って野球を全然知らないド素人です。
そんな「野球のやの字も知らない」監督が、不良になっちゃってる野球部員をどうやって奮い立たせ、野球をしていくかが気になるところです。
現在ドラマの影響で単行本、文庫版共に重版待ちの大人気です。
全国的に品薄なので、今すぐ読みたかったら都会の本屋へ行きましょう。
うちの本屋では客注も受け付けてなかったです・・・そんなにか!
いやでも、ドラマの原作本って本当にわかんないんですよね。
ドラマが人気でも原作が売れるとは限らない。蓋を開けてしばらく経たないと答えが出てこないんです。
そして、一番売れてる時期には配本がなくて、忘れた頃にセットのダンボールが届いて売れねーよと(ry
これもそうなりそうな予感がします。どうなんだろ。
とにかくドラマのヒットは意外だったなあ。


最後思いっきり話がそれましたが、それぞれ面白いので是非。